イノシシたちの争い?

演習林では、普段は人間を警戒してあまり姿を現さない生き物たちを記録するため、林内にセンサーカメラを設置しています。先日カメラ内の電池とsdカードの交換に行き、データを確認したところ興味深いものが写っていました。


2か月程前の6月22日、早朝の5時40分頃です。4頭?のイノシシがなにやらぐるぐる回っています。画面の左下側の水場は、動物が体のダニや寄生虫を落とすために泥浴びをする場所、「ぬた場」と考えられる場所です。

 泥浴びの場所を取り合っているのか、はたまたじゃれているだけなのか、色々な想像ができます。普段は畑や道を荒らす害獣ですが、こういった日常の一コマを見ると、少し微笑ましい気持ちになるかもしれません、、、

                           山内(耕)

酷暑~人も植物も~

 暑い日が続きますが、加えて今年は降雨が少ないような気がします。人間にとってももちろん暑さは辛いものですが、最近は構内の植物にも影響が出始めているようです。。。

芝生や葉が枯れているのが分かるでしょうか。毎日35度前後の気温が続き、かつ雨が降らなければ、当然植物もこうなります。

みなさんも水分と塩分のこまめな補給、適度な休憩を忘れずにとりましょう。

                            山内(耕)

夏と虫捕りと遺伝子

  福岡は太陽が3つも4つもあるかのような暑さが続いています。これほど暑いと九州も亜熱帯気候になってしまうのではなかろうかと気がかりです。そうなれば、生き物の顔ぶれもだいぶ変わってくることでしょう。

 最近、福岡演習林はとある研究プロジェクトをサポートするため、演習林内でセミとクワガタ類を採集することになりました。全国的にセミとクワガタ類の遺伝子を調べることで、各地の個体群の遺伝的多様性を明らかにし、生物の保全に役立つ知見を得ることが主な目的のようです。


 このプロジェクトで、私たち技術職員は虫捕りして試料を集める役割を担うことになりました。演習林の中でコナラやクヌギのある林を見みつくろって、捕虫網やライトトラップ(夜間に灯火で虫を集めるもの)で採取を行っています。



樹液が出る場所にはスズメバチも集まるので注意

 プロジェクトリーダーから教わった方法を参考にして、廃品のクリアファイルや金網、ゴミ箱を使ってライトトラップをつくってみました。無骨な作りですが上出来です。

廃棄物を使って作ったライトトラップ



 一方、近年はナラ枯れの流行が著しく、今年も多くのコナラやクヌギが枯れゆくのが観察されています。こうした病虫害がクワガタにはどのような影響があるのでしょうね。


樹皮の厚いアベマキの樹もこのありさま



夕方、ライトトラップを樹上に仕掛ける。紫外線を出して昆虫を誘引する。



翌朝、ライトトラップを回収します。


クワガタだけが捕れるわけでない


 この採取作業では、子供の頃に朝早くクヌギ林にクワガタやカブトムシ捕りに出かけていった時の高揚感を久しぶりに感じることができました。一方、ライトトラップではクワガタだけが集まるわけではなく、様々な甲虫、ガやセミ類も入ることがあります。一日中網を振り回すことに比べると、トラップはお任せできることが楽でいいですね。


幸運にも素手で捕れたヒグラシ


 セミ類ではヒグラシを採ることが目標ですが、ヒグラシは勘が鋭い上に素早くて捕まえるのは中々困難です。このように特定の生き物を対象とする調査をすると、今まで知らなかったその生き物の特徴や魅力に気付かされて益々興味を惹かれます。

 今年も暑い夏ですが、生物たちの移り変わりはゆっくりでも着実に進んでいるようです。残りの期間で採集コンプリートを目指します。


2024/8/8 TN