シカ柵

近年福岡演習林内でも増え続けているシカですが,ここ数年は木を植えても,シカ対策を行わなければせっかく植えた木が食べられたり傷つけられたりして,木は元気に育ってくれません.そこで木を植えた場所の周りに柵をはって,シカからの被害を防ぎます.

植えた木は全て守りたいのですが,柵の効果が本当にあるのかないのか,また柵をはらなければどうなるのか,といった検証を行うのも演習林の役目・・・と言うわけで下の写真のように,あえて柵をはらない場所もつくります.

2017/7/25 左:電気柵外 右:電気柵内 福岡演習林第6林班

シカが自由に出入りできる左側は,ご覧のとおり草がきれいに食べられています.あわせて植えたスギも食べられています.木は植えたあと数年は,草に負けないよう定期的に草を刈り払わなければ大きく育ってくれません.草だけ食べてくれれば文句はないのですが,そんなうまい話はないようです.

シカを防ぐための柵には色々な種類があります.
上の写真の電気柵は,3~4段に張ったひもに電気が流れシカを防ぐものです.設置を行うのも撤去するのも簡単ですが,設置後定期的な整備に手がかかります.また下の写真のネット柵に比べるとシカが入る可能性が高くもあります.
そこで今年の春ヒノキを植えた場所には,ネット柵を設置しました.このネット柵は,設置するのも撤去するのも手がかかりますが,穴があいたり倒れたりしない限りシカは入れません.更に今回使用したのは生分解性ネット.いずれ撤去しなければゴミになるハズのネットですが,この特殊なネットはある程度の年数が経過すると自然にかえってくれるという優れもの.今後このネットの効果についても様子をみていきます.

2017/4/21 生分解性ネット設置の造林地 福岡演習林第6林班
 2017/7/31 sa

今日の出来事

7月19日、午後の出来事です。
福岡演習林の庁舎と学生宿舎をつなぐ渡り廊下で、ヘビが自分の体より大きなカエルを飲みこもうとしています。ヘビの正体はヤマカガシ(Rhabdophis tigrinus tigrinus)、カエルはニホンヒキガエル(Bufo japonicus japonicus)です。ヤマカガシは日本に生息する毒蛇の一種で、強い毒性を持っていることが知られています。逃げようとするカエルと食べようとするヘビの攻防はしばらく続きましたが、ヘビに軍配が上がったようです。

2017.7.19 kubota



食べられまいと踏ん張るカエル

逃げられまいとバケツに巻き付くヘビ