時の経つのは早いもので、今年ももう端午の節句(五節句のうちの3番目)を過ぎましたね。
最近、福岡演習林かすや樹木園を歩くと、あちらこちらでサルトリイバラ(学名:Smilax china)が実を着けているのを見かけます。丸い実がかたまってついていて可愛らしいですね(専門用語で散形花序と言います)。
端午の節句に柏餅を食べた方も多いと思いますが、実は柏餅にカシワ(Quercus dentata)を使うのは関東や東北地方が中心で、西日本ではこのサルトリイバラの葉を使う地域が多いそうです。全国的に見ると、ホオノキ、ミョウガ、ヤブツバキなど、様々な種が使われるようですが、福岡では専らサルトリイバラが使われていたようです。
植物利用文化の地域性と、植物多様性の地理分布の関係は非常に興味深いですね。
今年は市販の柏餅(多分、Quercus dentata)を食べて、皆さんの健康をお祈りしました。
2021/5/6 B.K.