日本の伝統を見学 

sa職員がアップした檜皮の研修見学会に私も参加してきました.
これは是非ささやま通信に!!と意気込んでいましたが,藪の中を必死に登り,斜面にへばり付くのに精一杯だったので,まともな画像があまりない・・・と悩んでいたところ,代わりに見事な記事を掲載してもらえました.(ホッ)

なので数少ないまともな画像のみを載せてみます.


山に不慣れな人の場合→手助けあるも必死
ベテランsa職員の場合→スイスイ~
      

このロープだけで登るのですか!?

はいそうです!しかも早い!!
剥いた皮を重ねて束ねる作業にも熟練の技が必要とのこと

さてこの見学会後に山歩きをして画像収集していたのですが・・・
何気なく撮影した画像↓が私を悩ませました.


撮影をしながらその場で樹木名を聞いていたのですが,「シロダモ」の特徴である葉裏の白さが曖昧だし,「ヤブニッケイ」かな?でも果実は赤いし・・・
ひとり置いて行かれそうになり慌てて車に飛び乗ったので,疑問のまま帰途についてしまいました.

どちらもクスノキ科でよく似た樹木です.
葉を持ち帰っていないこともあり,この画像では特定できません(汗)

というわけで,翌日再び現地に連れて行ってもらいました!
よく見ると撮影した木のほかにもまわりにずらりと似たような木がありました!

こちらもシロダモ
(ちなみに最初の画像はシロダモで正解)

比較すると分かりやすいのですが,匂い・葉のつき方に違いがあるなど調べるほどに特徴が出てきます.
今度は葉を持ち帰り,K先生にも確認頂き納得できました.
生息地の環境の違いなどで個体によっては特徴が出にくいこともあるそうで,いつもながら樹木の世界も奥が深いなとまたまた勉強させられました.


2015/10/26 hk





日本の伝統

「檜皮という言葉をご存じでしょうか?これは「ひわだ」と読み,漢字の通りヒノキの皮を意味します.
この檜皮を用い施工された屋根を檜皮葺(ひわだぶき)と言い,古い文化財で多く見られます.
檜皮葺になくてはならない檜皮を採取する技法は特殊な技術で,この技術を次世代に継承するため,全国社寺等屋根工事技術保存会の方が福岡演習林で研修を行っています.この研修は本演だけでなく,他大学の演習林でも行われています.
 
この檜皮を採取する技法は特殊な技術で,樹齢100年程度のヒノキにブリナワと言うロープ1本で登り,カナメモチのヘラで剥いていきます.

2015/10/14 ヒノキの皮剥き 福岡演習林第18林班

ロープとヘラのみとは思えない早さで,どんどん剥いていきます.

2015/10/14 樹高15mでの作業 福岡演習林第18林班

2015/10/14 あらい(皮のいらない部分を剥ぐ)作業 福岡演習林第18林班
 
2015/10/14 採取した檜皮とヘラ 福岡演習林第18林班
 
本演での研修は今回で3年目となり,毎年2週間かけて100本程のヒノキの皮を剥いてます.
一度剥いたヒノキは10年後,今回剥いた皮より更にいい皮をつけるそうで,1回目の皮剥きはいわゆる未来への投資とのことでした.その後10年おきに何度も檜皮が採取出来るそうです.

このような日本の伝統技術が後世に続くよう本演も今後もお役に立てればと思います. 



余談ですが・・・

演習林が所在する久山町の上久原地区には,現在至る所に案山子(かかし)が点在しています.この地区では11月から「かかし祭り」なるものが開催されるそうです.

牛飼い 久山町上久原地区

ハシゴ乗り 久山町上久原地区

案山子も秋の日本の風物詩,日本の伝統・・・ですよね.

2015/10/23 sa