この檜皮を用い施工された屋根を檜皮葺(ひわだぶき)と言い,古い文化財で多く見られます.
檜皮葺になくてはならない檜皮を採取する技法は特殊な技術で,この技術を次世代に継承するため,全国社寺等屋根工事技術保存会の方が福岡演習林で研修を行っています.この研修は本演だけでなく,他大学の演習林でも行われています.
この檜皮を採取する技法は特殊な技術で,樹齢100年程度のヒノキにブリナワと言うロープ1本で登り,カナメモチのヘラで剥いていきます.
2015/10/14 ヒノキの皮剥き 福岡演習林第18林班 |
ロープとヘラのみとは思えない早さで,どんどん剥いていきます.
2015/10/14 樹高15mでの作業 福岡演習林第18林班 |
2015/10/14 あらい(皮のいらない部分を剥ぐ)作業 福岡演習林第18林班 |
2015/10/14 採取した檜皮とヘラ 福岡演習林第18林班 |
本演での研修は今回で3年目となり,毎年2週間かけて100本程のヒノキの皮を剥いています.
一度剥いたヒノキは10年後,今回剥いた皮より更にいい皮をつけるそうで,1回目の皮剥きはいわゆる未来への投資とのことでした.その後10年おきに何度も檜皮が採取出来るそうです.
このような日本の伝統技術が後世に続くよう,本演も今後もお役に立てればと思います.
余談ですが・・・
演習林が所在する久山町の上久原地区には,現在至る所に案山子(かかし)が点在しています.この地区では11月から「かかし祭り」なるものが開催されるそうです.
牛飼い 久山町上久原地区 |
ハシゴ乗り 久山町上久原地区 |
案山子も秋の日本の風物詩,日本の伝統・・・ですよね.
2015/10/23 sa