サクラ図鑑

  演習林の「かすや樹木園」では,国内外のたくさんの樹木を見ることができます。なかでも春に咲く「サクラ」は3月から4月まで楽しむことができ,華やかな気持ちにさせてくれます。今回はその中から10種をご紹介します。

 残念ながら現在はコロナ禍のため,一般の方の見学は出来ませんが,写真を見比べてお楽しみください写真をクリックすると拡大されます)

2022.04.08 kubota

 

マメザクラ Cerasus incisa (Thunb.) Loisel. var. incisa

 

ソメイヨシノ Cerasus x yedoensis (Matsum.) Masam. et S.Suzuki

 

ヨウコウPrunus 'Yoko'
 

カワヅザクラ Cerasus × kanzakura ‘Kawazu-zakura’

 

カンヒザクラ Cerasus campanulata (Maxim.) Masam. et S.Suzuki

 

オカメ Prunus 'Okame'

 

オオシマザクラ Cerasus speciosa (Koidz.) H.Ohba

 

サトザクラ Cerasus Sato-zakura Group

 

ヤマザクラ Cerasus jamasakura (Siebold ex Koidz.) H.Ohba

 

カンザン Prunus 'Sekiyama'

春を探して

 3月21日は春分の日でした。「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」とも言われているそうです。

だんだん暖かくなって、木々や草花が芽吹き始める季節・・・なんですが、まだ肌寒さが少し残っていますね。春はやってきているのかしら?と思って、演習林内のかすや樹木園内を散策してみました。


小一時間ほどの散歩でしたが、非常に多くの植物の花や芽吹きを見ることができました。

いつ、どの植物が花や実を着けているかや、葉っぱを開くかといった情報は、森林の成り立ちや、将来的な変化を知る上で重要です。野外を散策する際は、是非、いつ、どこで、どんな生き物で、何が起こっているかを気にしてみてください。

皆さんの日々の観察が、いつか重大な科学的発見につながるかもしれません。


2022/3/21 kusumoto



演習林でよく見る動物は?

先週,森林調査実習Ⅱの実習がありました。

実習の中に「技術職員へのインタビュー」というものがあり、演習林の概要から仕事の内容、プライベートなこと(?)まで、学生の皆さんから色々と質問を受け、1年の仕事の振返りをしているような、自分にとっても新鮮な時間でした。

さて、学生さんによく聞かれる質問のひとつに「演習林ではどんな野生動物に遇いますか?」というものがあります。せっかくなので、こちらでご紹介したいと思います。

遭遇頻度の感覚としては、

シカ >>>>>>>>>>>> イノシシ >> アナグマ > その他

という感じです。とにかくシカが多いです。

シカとの遭遇① 車で林道を走っているとき↓

シカとの遭遇② 雑木を伐ったあと木の葉を食べにくる↓

シカとの遭遇③ 少し離れたところでこちらの作業の様子を見ている↓

シカとの遭遇④ センサーカメラに毎日写る

シカとの遭遇⑤ わなに掛かっている

シカとの遭遇⑥ 枝打ちしようとしたら丸くなって座っていた(聞いた話)

などなど。福岡の山で仕事をしていると、こんなにも多くのシカに遭遇するんだなぁという感じです。そしてやはり、下層植生は貧相です。草本植物はマツカゼソウばかり目につきます。

森林調査実習Ⅱでは、例年なら演習林で直接学生さんにお会いできるのですが、新型コロナウイルスの影響により今年度はオンラインでのインタビューとなりました。

来年は演習林でお会いできるといいなと思います。

ちなみに、その他の動物はタヌキやテン、ノウサギ、キツネ、ムササビなどです。福岡演習林ホームページのデータベース内に写真付きで紹介していますので、ぜひご覧ください。

2022.02.28 muramatsu


巣植試験地の間伐

 演習林では、多様な林分構造をもつ森林の形成や適切な管理のため、伐採作業を行っています。今年度は、久山町に位置する15林班内で間伐作業を実施中です。

 この伐採地は、一般的な造林地とは少し異なり、巣植えという方法で植付が行われました。

 巣植えとは、1ヶ所に数本の苗木をまとめて植える方法で、下刈り等の保育作業の省略化や風雪被害の緩和が期待できます。

 伐採前は、少し窮屈な印象を受けます。中には、隣の木との成長競争に敗れて、枯れているものも見られます。
 成長や形質の悪い木を伐採します。残された木は、隣の木と取り合っていた養分や日の光を吸収し、すくすくと成長します。

 伐採前の林冠。枝葉で覆われ、空がほとんど見えません。

 伐採後の林冠。隙間がだいぶ空いて、林内にも光が差し込みます。

2022.01.12 murata

土を留める



演習林の伐採跡地で発生した斜面の崩壊です。頻発する集中豪雨のせいか、こうした崩壊はしばしば起きます。
規模は小さいものの、この場所はすぐ下に林道があり、崩土で道が塞がることから、しっかりした手当が必要となっていました。



初夏に現地を測量し、土質を調べたところ、不安定な土はあらかた落ちていること、地下水も出ていないことが分かりました。
今後予想される崩土も少なさそうでしたので、丸太積みの土留め(どどめ)を設計して、組み上げることにしました。



丸太積みの工法は特別な資材や機械は必要なく、自然地形に対して柔軟に適応できます。
とはいえ、大量の丸太が必要です。ちょうど構内敷地に伐採予定の人工林があったので、ここから資材丸太を調達することにしました。
7~8月の真夏、炎天下での伐採。数日でしたが消耗の激しい作業でした。

台風シーズンも終わった11月、いよいよ丸太積みに着手です。しかし、施工予定地は道路から少し上にあります。
そこで、この場所に資材運搬用の取付道をつくることからスタートです。



地形の制約に加えて、途中、盛土の不足に四苦八苦しましたが、なんとか崩壊地までの道がつきました。




さて、道さえつけば勝利は約束されたようなものです。
杭丸太、基礎用の栗石等、資材をどんどんあげていきます。それと同時に、崩壊箇所の下の地山をバックホウで切取り、床均し、杭うちと基礎をつくります。



基礎に横木と控木の丸太を組み上げて、番線で締め、それを繰り返します。


これで躯体は完成、


              
最後は土砂をしっかり詰めて


完成!

この丸太積みで落ちてくる土の衝撃と勾配を緩和して、下側への崩土を防いでくれる、はずです。

11月の半ばから12月にかけては、この仕事に邁進していました。
体力の自信はすでになく、肩や腰もガタピシきてる状態なので、正直なところ途中から「誰か代われ!」と思わなくもありませんでしたが、言い出しっぺが投げ出しては格好悪いので何とか踏ん張りました。

しかし改めて見返すと、測量に始まり、設計・積算、材料調達(伐採)、施工まで。
よくやったなと思いますし、また演習林らしい仕事であったな、とも思います。ともあれ無事にいい仕事ができたことはささやかな喜びです。

さて、年が明ければ保育間伐、枯マツ伐倒駆除と今度は木こり用務が待っています。これまたタフな仕事になるのは目に見えています。
そこでロートルの私はスロットルを絞り、若手職員に大いに頑張ってもらうことにします。

                                 2021.12.27 D.O